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国が設置した10兆円規模の大学ファンドの投資方針を巡り、運用する科学技術振興機構(JST)が防衛関連企業への投資制限を緩和する方針を固めたことが29日、明らかになった。国際条約で禁止された非人道兵器に関わる企業は引き続き投資対象から除外する一方、通常の防衛装備品を手掛ける企業への投資は原則として認める方向だ。複数の政府関係者が明らかにした。
大学ファンドは、日本の大学の研究力強化を目的に国が設けた基金で、運用益を世界トップレベルの研究を目指す「国際卓越研究大学」などに配分している。これまで武器関連の製造や販売で収益の50%以上を占める企業は投資対象から外していたが、JSTが23日に開いた運用・監視委員会で方針転換を決めた。
背景には、防衛産業に対する国際的な評価の変化がある。欧州などではESGの観点から防衛関連企業が投資対象から排除される傾向が強かったが、2022年のロシアによるウクライナ侵略を契機に、安全保障を支える産業として再評価する動きが加速している。
この変化を受け、非人道兵器と通常兵器を明確に区別し、投資の可否を判断する考え方が国際的に広がりつつある。JSTの決定はこうした世界的な流れを踏まえたものとみられ、防衛分野のスタートアップ育成を後押しする狙いがある。
大学ファンドの投資制限緩和により、安全保障分野の技術革新や人材育成が促進されることが期待される。政府関係者は、この取り組みを通じて防衛力の強化と産業基盤の拡充につなげたい考えを示している。